超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


SPONSORED LINK

ヤクザにサーバを売りに行ったときの話をしよう。

f:id:yuki_2021:20100418111443j:plain:w300


今日はちょっと僕の昔の話でもしようか。僕は一応元プログラマであるのだが、派遣を含め色んな所を経験してきたので業界のヤバイ話のストックが無いわけではない。特に、業務内容も雇用形態もブラックだった企業に勤めていたときはとんでもない経験をしている。なんで、ちょっとそれについて身バレしない程度に物語っていこう。


さて、このヤバイ企業でヤバイ経験をしたというのは過去エントリーでもちらりと触れているのだが、総務省に目をつけられて警察が職場まで押し掛けて来たという話がそれである。この会社はとあるアングラカテゴリで業界シェアトップを取っていてね、新聞沙汰にもなっている。この会社は社名をコロコロ変えているので多分そう簡単には分からないと思うが、事件を起こすだけの内情も社員だった僕は知っている。


僕はこのブラック企業で鬱になって死にかけたという私怨もあるので、2ch辺りで晒してやろうかとも思ったのだが、こいつらはwebでの評判対策もきっちりやってたからな、情報開示請求からの民事告訴という可能性まで考えるとそんな危険な橋は渡れない。なんで、ぼかしながら面白い話題だけ書かせてもらおう。


業種はいわゆる通信業だった。サーバを200台ばかりデータセンタに所有していてアダルト関係の開発・運用を中心にやっていた。僕がやっていたのは出会い系サイトなどのASP運用するほぼSEのPGだった。勤務体系は極めてブラックでサービス残業で毎日午前まで働いていた。この辺りは今からでも請求できるんじゃないかと思うんだが、お仕着せみたいな役職も付けられていたし証拠も残っていないので多分無理だろう。でもすっげぇ儲かっていた。毎月口座を見るのが楽しみだったし、社員旅行は毎年、海外でン百万単位の豪遊をしていた。


取引相手も当然ブラックで、大手の出会い系サイトがずらりと揃っていた。出会い系サイトといっても最近のYYCとか楽天オーネットみたいなちゃんと出会える出会い系サイトではない。サクラをアルバイトで大量に雇って、カモを口先だけで転がしながら身ぐるみを剥ぐ、出会うことができないアングラ出会い系サイトである。


僕らも極めて悪質な仕事をしていたが、引っかかるカモも基本的にはアホだった。サクラ相手に月40万とか貢ぐ奴もいた。あの手の出会い系では男だけではなく女性も登録できる様になっているのだが、サクラが真っ先に男を奪っていくので登録した女性はお茶を挽いていた。出会いを求めている男女が本当は出会えるはずなのだが、出会えない様にシステムで設計されているのである。社員の中で暇な奴は登録した女性とメールして遊んでいた。僕らの立場は多分、ヤリまくろうと思えば幾らでもヤレる女には困らなかったはずである。


本題に移ろうか。この会社はASPだけではなく、システムごとサーバを売るという仕事もしていた。僕が新人の頃はこれをメインでやっていてね。サーバを買った相手の事務所まで出向いてサーバラック設置からネットワーク設定、システムの設置までをやっていた。システムの内容は無修正アダルトサイトなどである。このサーバを自社で持っていると警察から取締を受ける可能性があるので、わざわざ相手の事務所まで出向いて設置してやるのである。


このサーバを買う顧客はいわゆるヤが付く反社会的勢力ばかりでね、新人の僕はシステム設定をしながらも生きた心地がしなかった。事務所内に通されてサーバラックの設置とかの指示を子分たちに命じないといけないのである。ある一例をお話しよう。


とある顧客のビルまで営業と出向いてネットワーク設定からやらないといけないということだった。僕と営業は丁重に一室まで通された。暇を持て余した子分たちがダーツなどをして遊んでいた。僕がいる部屋からも入り口を監視しているカメラの映像のモニターを見ることができる。やがて代表者というやたら威厳がある人が出てきて最近の業界の小話などをした。割といい人で缶コーヒーを子分たちに買わせてきて僕らに振る舞ってくれた。


代表者の機嫌が良かったのは最初のうちだけだった。ネットワーク設定という話なのだが、これが、この顧客が光回線を契約したから、プロバイダー設定からルータの設定、ポート開放まで全部やってシステムが動くようにしろという話だった。契約以上の仕事をしないといけない。流石に営業が口を挟んでくれたけど、代表者は聞こえないふりをした。そしてすっげぇ不穏な空気を出してくるんである。営業はサービスということで折れるしかなかった。


2時間ばかりネットワーク設定で格闘しましたよ。また、頭悪そうなシステム担当という子分がやたら絡んでくるんである。こいつらの知識は基本的にネットからエロ画像を拾ってきて、サーバにアップする程度である。全然的外れで頭に来るんだが、ヤが付く職業の人たちなのでやんわり余計なお世話をお断りするしかない。代表者はソファーでのんびりしながらもこっちを監視していてね、地獄の入口ってのはこんな感じなんだろうなと思った。


地獄というのは世の中の至る所に転がっているのである。ブラック企業を体験した僕としては、そんな所に入ったら即逃げろというほかはない。ただまぁ、マジで金が転がっている業界ではあったので借金まみれで体を売るしかないならば経験してみても良いかもしれない。ただ、その後、鬱で死にぞこなった経験者としてはそこは法律も何も助けてくれない世界ですよ―と老婆心ながら警告しておいてあげる。

プライバシーポリシー免責事項