超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


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村上春樹の文章法。

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↑知念半島から見た久高島。今日は曇天だった。


さて、今日は朝から妹を美容室に送って、朝マックに行って、知念半島をドライブで一周するというご機嫌な一日だった。夜に入っても機嫌良く過ごせるかなぁ、と思ったら夜になって面倒くせー事が起こった。


就労移行支援で面倒くさい事件が起こっているということは前に書いたよね。このエントリーである。これが事務所全体を巻き込んだクソ面倒くさいことになっており、僕の所までメールが来た。恋愛関係の縺れらしいね。知らんけど。でもって、メールで当事者がいじめを強制してきた。僕が世の中で一番嫌いなのは感情の押しつけである。デモデモダッテしながら私はこんなんだから共感してよね?みたいな態度は死ぬほど嫌いである。だからWebでも自分の感情を理解しない奴は馬鹿だという論調の奴には手斧を投げつける傾向がある。導火線が短い僕にしては我慢して大人な態度を見せつけた。職員に相談するように会話を誘導して、一時間ほどおぞけが立つほどのメールのやり取りをした。お陰さまでイライラがMAXである。


イライラしても仕方ないから、村上春樹のエッセイ集を読みふけることで神経を癒やすことにした。村上春樹はねー、小説では情景が浮かんでくる気合が入った文章を書くけど、エッセイでは気が抜けた話をしてくれるのよ。だからあんまり頭を使いたくない時はエッセイ集を再読する。


なんか、村上さんの文章法に対する考え方が1987年発行の「村上朝日堂」に書かれていた。ここから老年期に向かって成長していって、2007年の「走ることについて語る時に僕の語ること」でどんな風に変化したのかが面白かったので今日のエントリーで取り上げよう。


「村上朝日堂」の中に『文章の書き方』という項がある。読者に小説家になるにはどうしたらいいですか?と相談されて村上さんが回答している。その内容としては「文章を書くためには書かないこと」が重要であるという回答である。


文章を書くということは上手く書くために先達を模倣して勉強するしか無い。ある程度までは誰でもうまくなって楽しくなる。だが、ある程度まで行くとこれが袋小路のどん詰まりに至って、結局文章を書くのを止めてしまう。だからそこから先は文章云々を別として生きていくしか無い。生きた経験が文章になると言った趣旨である。


なるほどねーとは思うが、読んだすべての人を納得させる回答でも無いだろう。なんせこの項自体が非常に短い。単行本で2ページ分ぐらいの文章量である。村上春樹の文章の極意をここから全て読み解くというのは無理な話だろう。


そこで僕は村上春樹が書いた唯一の文章読本「走ることについて語る時に僕が語ること」を紐解いた。これは僕の座右の書だ。辞典と一緒に手がすぐ届くところに置いてある。文章法については一切触れず、ランナーとしての経験から小説を書くことの精神性などを解いている本なので、そこいらの文章読本と一緒と一緒にしてはいけないだろう。少なくとも小説を書く経験がない人が読んですぐに小説を書き始めることが出来る本ではない。自分の執筆経験と照らし合わせて、村上春樹はこう考えているのかと納得する本である。


第四章で、村上さんは小説を書く資質について文学的才能が一番重要であると答えている。どんなに努力しようが才能がある人には敵わない。だから自分の内面を掘り下げて書きたい文章の源流を探し出すことが重要であるということだ。次に重要なのが集中力。これはチャンドラーなどを引き合いにして毎日習慣的に書くことを推奨している。


「走ること……」では老年期に入り始めた村上さんらしいエピソードも語られていてね、100kmマラソンで迎えた肉体的限界から想起される自分の限界みたいなことも書き出されている。たぶん、自分のエンディングも考えているんじゃないかなと思える文章だ。自身の経験を誇ることはしないが、只々エピソードとその内心を剥き出しにして提示することで自分の作家としての考え方を提示するのが、村上春樹らしい態度だなと思える。この人は仰々しく文章の書き方などを教えることなど絶対しないだろう。この本内容の殆どがマラソンに関するエッセイだもの。こんな生活してこんな事考えてますよ―という文章がそのまま文章読本になってしまうのである。まぁ、たしかに偉い人だよなと僕は感心してしまうのだ。


まぁ僕が文章法で引っかかっている理由がここで発表した小説が、えらく低評価だと言う事に起因するのだが、これは実力なのでしょうがない。なんだろうな、出す所間違ったよな。東方創想話は東方のマジなファン以外はお断りって場所だもんな。なんとなく、二次創作を書くにはあまりにも薄い、僕の信仰心みたいなものが見透かされてしまったのだろう。罵詈雑言を書かれていないだけマシってもんかもしれん。まぁそれでも万人に受ける文章ってものは書いてみたいよな。などと村上春樹の文章の考え方に触れて考えてしまうのである。


村上朝日堂 (新潮文庫)

村上朝日堂 (新潮文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

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