超メモ帳(Web式)@復活

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やっぱり統合失調症の回復には家族の影響が強いのだとつくづく思うよ。

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とある統合失調症の家族のブログを読んだんだけどさ、なんか色々と言いたいことがモヤる内容だった。まだ全ログ読んでないから断罪スタイルは取れないんだけど、正直言ってこれじゃ統合失調症の当事者も治らないだろうなと思った。こんな所で陰口みたいに書かずに直にコメントでぶつけりゃ良いんだけど、デモデモダッテをしてきそうであんま関わりたくない。まぁ、いずれぶっ込むかも。ウェットな文章ばかりで、同情が欲しいんだろうなというのが分かるのよ。統合失調症の家族が苦しいのは分かるがね、当事者も死ぬほど苦しいんだよ。統合失調症の回復には家族の関係が大きく影響する。今日はそのあたりを取り上げてみよう。


統合失調症の家族との関わり方で、代表的な指標になるのがExpressed Emotion。頭文字を取ってEEと略する。これは感情表出と訳する。統合失調症の家族などの周りの人たちが、感情を表す度合いなどを指し示す指標である。一般的には家族が高EEだと統合失調症の再発率は高く、何度も入退院を繰り返すようになると言われている。


高EEレベルの家族の行動例としては下記がある。

1.批判的な感情表出
「何もしないでごろごろしている」「いい年をして仕事もしない」などと、患者さんに対して不満や文句をいうことです。


2.敵意のある感情表出
「いっそ、この子がいなければいい」「一発殴ってやりたい」「この人のせいで私の人生はだいなしになった」などの敵対的な感情をぶつけることです。


3.情緒的に巻き込まれている感情表出
「この子は病人だから私がいてあげないといけない」「この人の気持ちは私にしかわからない」など過保護や過干渉になってしまうことです。すこしのことで泣き崩れたり、冷静さを失うようなことも含まれます。


統合失調症|5.家族の対応ABC|家族の支援ガイド|ご家族・身近な皆様へ|暮らしと仲間|こころの健康情報局 すまいるナビゲーター[すまいるナビ]


統合失調症の急性期はとにかく暴れる。聞こえないことを聞いて言い返したり、突拍子もない思いつきを信じ込んで周りからの言う事を全く信じなかったりする。この時の家族の対応としては、肯定も否定もしてはいけない。肯定をしてしまうと妄想がさらに強度を増してしまう。例えば隣の人が監視してると言う言い分を信じて、一緒に隣の人を批判するなどすると、妄想は強化される。否定もしてはいけない。当事者は完全にそれを真実として信じているのである。否定されると強い拒否反応を起こして暴れたりする。暴力を振るわれてしまう可能性もある。理想的な対応としてはひたすら言い分を静かに聞き続けて、ある程度時間が経ったら違う話題に切り替えることである。


急性期を過ぎると行動エネルギーが減少する休息期に入る。この時期は当事者は何もしなくなる。生活周りで必要な入浴や掃除などもである。ひたすら一日中部屋に閉じ籠もって、寝てるかぼんやりしてるかという状況になる。この時に周りが焦って、家事しろ、仕事しろなどと強要すると症状が悪化して、急性期に戻ることがある。この時は休む時期だと理解して、ほっておくことが必要である。


無論、典型的な例だけじゃない。統合失調症はとにかく症状の幅が広い病気でね、当事者100人がいたら100通りの症状があると言ってもいい。幻聴を聞いてひたすら暴れまくる人もいれば、妄想を自分の中に押さえ込んで鬱のように引きこもってしまう人もいる。ケースバイケースでその本人の症状をちゃんとみて受け入れてやることが必要である。統合失調症の家族も勉強して、さまざまな症状が有ることを知らなければいけないのだ。


僕も統合失調症の当事者なのだけど、体感としては薬をちゃんと飲めば妄想はある程度抑えられる。よく見かけるのが自分の体調で薬を飲む飲まないの判断をして、薬をちゃんと飲まずに再発させて入院してしまう人だ。このあたりも、最初に気づくであろう家族が監視してやらないといけないだろう。統合失調症は高血圧や糖尿病と同じ慢性病である。一生、薬は飲み続けないといけない。だから、統合失調症が良くなるのは「治る」と言わず、「寛解」と表現する。


この病気を持つ人と一緒に暮らす家族も一生、病気と付き合う覚悟をしなくてはいけない。この病を患ってしまうと、病を患う前とは全然変わってしまうかもしれないけど、当事者が最終的に頼るべきは家族しかいないのである。だから、統合失調症という病を学んで、一緒に生きてやる覚悟をしなくてはいけないのである。医療でもそうなるように動いている。治療の一環として家族教育が施される。ある程度、基本的な病気の知識は主治医が告知の時に教えてくれるはずだ。


この家族教育だけで足りないケースが高EE家族になってしまうんだろうな。統合失調症の家族の人で訳分からなくて困っているという人は、統合失調症の解説書を読んだり、家族会に参加したり、ピアカウンセリングなどで話を聞いてみるなどしたら良いかもしれない。


注意すべきは情報を知るのはネットで済ませてはいけないということである。ネット上にはデマを喜々として教えて回る人がいる。僕が見た酷い例は、Yahoo知恵袋メンタルヘルスカテゴリで、それらしき人を検索しては断薬や電磁波犯罪の事を書いて回る奴である。あれらの人たちはそれを真実としてのように行動するが、実際は病識がない患者のただの妄想である。まともに相手してはいけない。ネットにはデマが多すぎる。


まとめると、統合失調症の家族も統合失調症に付いて勉強しなければいけない。当事者を理解できないとして諦めるのではなく、本人が負担にならない範囲で支えてやらないといけない。社会的サポートなども利用しながら長く付き合う覚悟は必要である。兎も角、一生付き合う病気だからね、当事者が頼りになるのは家族しかいない。家族の方はきちんと学んで自分自身が潰されないように適切な距離を身につけてください。

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