超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


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『新しい文章力の教室』はwebで文章を書く人は必携の一冊である。

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僕も毎日ブログを書くけど文章力の無さにはウンザリしていて困っている。物書くための情報はたくさん仕入れている。良さそうな本が紹介されていたので書かせてもらおう。

 

www.hitode-festival.com

 

ゆるふわ愛され系ブロガーのヒトデ氏が紹介していた、「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」唐木元著である。この本だけ読めばいいよとまで絶賛はできないけど、webで文章を書くライターやアフィリエイター、ブロガーはぜひ一冊は持っていたほうがいいと思う。

 

「新しい文章力の教室」は月間PV数4120万。毎月2000本の記事がアップされるナタリーの編集長であった唐木氏がライターの新人教育をそのまま本にできないかという考えから生み出された一冊である。この本には、文章を書く上での心構えから文章校正、取材の心得までが書かれている。圧巻なのが日本語の係り受けや助詞などの日常ではあんまり触れることのない正しい文章法の使い方に紙面の大半を使って論じられている事だ。読者に最後まで読まれるためには論理的でスムーズな読了感を志さないといけないということで、ライターが拘るべき文章技法を一から解説してくれる。普段、感性で文章を書いている僕としては「ここまでこだわるのか……」と圧倒されてしまった。

 

ブログでも使えそうな内容などを紹介していこう。だが、この本の要旨は文章法の丁寧な解説であると思う。実際に手元に置いて、こんな文章の書き方は間違っていないかなどの校正に使うのが正しいだろう。

 

簡単な所で、文末に気をつけると言う事。下記のような文章がある。

イベント企画について会議をしました。予算の条件が見合わず紛糾しました。結論は来週に持ち越すことにしました。


この例文では文末の『しました』が三回繰り返されている。幼稚に見える文章である。ブログを書いていたりする時に気をつける事だが、意外とやりがちだ。文章の初心者から抜け出すにはまずは文末を見直そう。唐木氏はこのように直す。

イベント企画について会議をしました。予算の条件が見合わず紛糾しています。結論は来週に持ち越す事になりました。


2つ目を現在形に変えるだけで単調さが無くなっている。文末のパターンとしては動詞(現在・過去)、断定の助動詞(~だ・~です)、そして体言止めの3つ。さらに形容詞や形容動詞、副詞といった修飾語で終わらせる。倒置法や呼びかけ(~してみよう)などといったバリエーションを増やすことで多彩な文章を作ることが出来る。この文末を散らすってのは日本語作文能力を測る簡単な基準みたいなものでね、上手い人ほどバリエーションを持っている。初心者でもちょっと文末に注意するだけで、それなりの文章を書くことが出来るよ。

 

次はちょっと高度な主語の「は」と「が」の使い分け。

ポール・マッカートニーは1年ぶりに来日する。

ポール・マッカートニーが1年ぶりに来日する。


「は」と「が」はどちらも主語を示す機能を持つ助詞だが、「は」には「主題の提示」という大きな機能がある。このため「が」の方が主語を限定する機能が強く、「は」は含みを持たせる表現になる。また、「は」には対比を示す機能もある。(ポール・マッカートニーは1年ぶりに来日する(が、別のアーティストAは来日しない))そのため、主語に対して幾つかの可能性の中から説明していく形を取る。これに対して「が」は主語に対して限定的な提示を行うことができる。なので、はっきりと主語を提示したい時は「が」を使うのが正しい。

 

ここでは全部、引用することはできないので、目次を引き写ししておこう。

第1章書く前に準備する
01:よい文章とは完読される文章である
02:完読される文章、完食されるラーメン
03:文章は目に見えている部分だけではない
04:必要なものは主眼と骨子
05:悩まず書くために「プラモデル」を用意する
06:書きたいことのパーツを揃える
07:文章の主眼をセットする
08:文章の骨子を立てる
09:「構造シート」で整理する
10:トレーニングで上達する
11:話題は主眼に沿って取捨選択する
12:基本の構成は「サビ頭」
13:構造シートをもとに書き始める
14:書けなくなったら
15:作文の完成度はロングテール


第2章読み返して直す
16:文章は意味・字面・語呂の3つの見地で読み返す
17:推敲の第一歩は重複チェック
18:文節レベルの重複を解消する
19:文末のバリエーションに気を配る
20:自制を混在させて推進力を出す
21:文系や段落単位の重複に注意する
22:主語と述語を意識しながら構造に還元して読む
23:単文・重文・複文を理解して係り受けを整理する
24:読点で区切る
25:ひとつの文で欲張らない
26:漢字とかなのバランスに注意する
27:本来の意味から離れた漢字はかなに開く
28:誤植の頻発ポイントでは事実確認を厳重に
29:修正したら必ず冒頭から読み返す


第3章もっと明快に
30:身も蓋もないくらいがちょうどいい
31:余計な単語を削ってみる
32:余計なことを言っていないか
33:「が」や「で」で文章をだらだらとつなげない
34:翻訳文体にご用心
35:濁し言葉を取る勇気を
36:伝聞表現は腰を弱くする
37:複雑な係り受けは適度に分割する
38:係り受けの距離を近づける
39:修飾語句は大きく長い順に
40:属性を問う主語は「こと」で受ける
41:受動と能動をはっきり意識する
42:おまとめ述語にご用心
43:情報を列挙するときは語句のレベルを合わせる
44:列挙の「と」「や」は最初に置く
45:並列の「たり」は省略しない
46:主語の「は」と「が」の使い分け
47:時間にまつわる言葉は「点」か「線」かに留意する


第4章もっとスムーズに
48:スピード感をコントロールする
49:体言止めは読者に負担を与える
50:行きすぎた名詞化はぶっきらぼうさを生む
51:指示語は最小限に
52:「今作」「当サイト」…指示語もどきにご用心
53:一般性のない言葉を説明抜きに使わない
54:わからないことはひと言でも書いてはいけない
55:「企画」「作品」…ボンヤリワードにご用心
56:「らしさ」「ならでは」には客観的根拠を添えること
57:トートロジーは子供っぽさを呼び込む
58:文頭一語目に続く読点は頭の悪そうな印象を与える
59:約物の使いすぎは下品さの元
60:丸かっこの補足は慎み深さとともに
61:可能表現に頼らない
62:便利な「こと」「もの」は減らす努力を
63:なんとなくのつなぎ言葉を使わない


第5章読んでもらう工夫
64:具体的なエピソードを書く
65:主観の押し付けは読者を白けさせる
66:人物名で始めると目を引きやすい
67:あえて閉じた言葉で読者との距離を縮める
68:名詞と呼応する動詞を選ぶとこなれ感が出る
69:数字を入れると具体性が増す
70:タイトルは切り口の提示から
71:記事単位の重複に注意する
72:インタビューの基本は「同意」と「深堀り」
73:感想文やレビューを書くには
74:長い文章を書くには
75:企画書を書くには
76:レイアウトの考え方
77:すべてのルールは絶対ではない


正確に読者に伝わる文章を書くための情報がびっしりと詰まっている一冊である。僕もブログは書くし、アフィリエイトにも手を出そうとしているので伝わる文章は勉強しないといけないと思い手にした。ウェブで文章を書くライターやブロガーには必携の一冊である。小説などの文芸的な文章を書くものにとっては、「新しい文章力の教室」は読者に媚び過ぎて逆に手足を縛られる事になるかもしれない。小説家志望などの人は本多勝一の「日本語の作文技術」を読んだほうが良いだろう。こちらも日本語で文章を書くものならば持っていたほうが良い一冊である。

 

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【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)

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